肩関節周囲炎

肩関節周囲炎は、五十肩とも呼ばれ、原因が特定できない肩関節の痛みや可動域制限が主な症状です。肩関節を痛めたこと（腱損傷や骨折）がある、糖尿病などの危険因子がある場合、発症の可能性が高くなるといわれています。就寝中の痛みや洗髪・腰に手が回せないなど特徴的な症状もあります。

一般的な治療期間

人口の 2 ～ 5 % が罹患し、リハビリの治療期間は、1 ～ 2 年程必要と言われています。大半の人は完全に機能回復しますが、中には軽いこわばりや時折痛みが残存する方もいます。

● 人口の２～５％は発症

● １～２年程度で症状改善

● 中には違和感が残存する人もいる

肩関節の機能と解剖・痛みの原因

肩関節の機能と解剖・痛みの原因肩関節は、関節の構造上、非常に可動性の高い関節です。そのため、関節包や靭帯、筋肉によって安定性を保っています。特に関節包は、袋状になっており、肩関節の潤滑と組織の柔軟性を持っています。この関節包が硬くなることが、五十肩の原因となるのです。関節包と滑液包が癒着して炎症を起こすことで、痛みやこわばりを感じます。また、夜間の痛みは、五十肩を発症する最初の指標のひとつになります。そして、腕を横に上げたり、背中に回したり、外側に回したりすることが困難になり、こわばりが始まります。

日常生活における注意事項

肩関節の痛みを適切に管理し、動きを注意深くコントロールすることで、症状が悪化することを最小限に抑えることができます。例えば、寝る姿勢を工夫してみましょう。頭を楽な位置に保ち、腕は脇腹の近くに置くようにしてください。肘は肩よりも下に位置しないようにタオルなどを入れて高さを保ちましょう。また、長期にわたる肩関節の不動は、首や背中の痛みの原因となります。こまめにストレッチを行いましょう。